2009年11月28日土曜日

米国の医療保険制度について

オバマ大統領が選挙中から公約していた米国医療改革法案が議論を呼びながらも、11月7日下院を通過した。10年間にわたって1兆1千億ドルの経費がかかるが、これらは保険の加入者増、増税やMedicareのカットで実現される。上院ではいまだに難航しているが、そこで出てきたものと一本化して、法制化されることになりそうで、政府提供の保険を設定するかどうかで議論の最中である。

医療保険に入っていない人の数が国民の6人に1人にも及ぶ中、国民のほとんどに保険をもたせる、また病気になって困っている人に保険での治療を提供するという仕組み作りは、1993年クリントン政権下で失敗しているだけに、米国社会のひずみを直す大きな前進であるといえよう。

一方で、いろいろな政治団体が反対の声を上げ、今まで見えなかったものが見えてくるものもある。たとえば、米国のキリスト教保守主義グループの反応は興味深い。
彼らは、今回の保険制度改革に反対の声を上げた(USA Today 8/26/09)。彼らの言い分は、不法移民が医療を受けられるようになってしまう。堕胎をはじめとする医療行為が保険によって堂々と行われるようになってしまう。費用が莫大になり、そこまで負担できないというものである。かけがいのない命をおもんじるがゆえに、堕胎を許せないというのは筋が通っているが、保険制度改革自体はそれ以外の部分も大きい。米国で保険に入れない人たちは、重病になったときも、治療が受けられずに、死を待つしかないという現状は、是正されるべきである。
今回下院を通過した法案も、堕胎に関しては堕胎反対論者の主張が通ったものとなっている。

いずれにせよ両院で一本化されたときにどのような形になっているのか、今後も目が離せないテーマである。

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